株式会社コスモスイニシア様は、1974年にマンション分譲事業を開始して以来、首都圏・近畿圏を中心に、これまで10万戸超のマンション、1996年からスタートした一戸建住宅分譲事業では4000戸超を供給してきた実績のある企業です。また、リノベーションマンションは、これまでに2500戸超を供給し、その経験を生かした不動産ソリューションを提供しています。
現在は、アクティブシニア向け新築マンション、シェアオフィスやアウトドアリゾート(グランピング施設)のほか、訪日外国人旅行者向けホテルなど、さまざまな商品を展開しています。
今回は、そんな株式会社コスモスイニシア様の賃貸事業部の皆様に、パレットクラウドの入居者アプリ『パレット管理』を導入された経緯や手順、また効果や今後に期待することなどを伺いました。後編では、本番となる本格導入後の現在の状況、さらに今後の展望などについて、プロジェクトメンバーの方々も交えてお話を伺いました。
株式会社コスモスイニシア:https://www.cigr.co.jp/
【前回のおさらい】ひとりの熱意からチーム一丸で進んだ導入プロジェクト
数千戸の物件を管理するコスモスイニシア様の賃貸事業部では、「長期入居」をテーマに入居者様の満足度向上を目指していました。
そのなかで煩雑な業務と入居者さまとの膨大なコミュニケーション量を課題に感じ、パレットクラウドの入居者アプリ『パレット管理』と出会い、社内のアイデアコンテストで入居者アプリ導入を発案。粘り強い提案でプロジェクト化に至りました。
その後プロジェクトチームが組成され、600戸のトライアル導入を実施。アプリ登録率84%という成果とともに、試行錯誤の末、チームで『パレット管理』の導入を完遂。
現在、当初の狙いであった「入居者満足の向上」と「業務効率化」が確実に効果として出つつあります。
『パレット管理』を本格導入してみて
「各方面でトライアル導入の学びを活かすことができました」
本格導入にあたり苦労した点や感じたことを教えてください。
導入にあたり、弊社基幹システムに登録されているお部屋や入居契約、入居者さまの情報を『パレット管理』に連携させる必要があります。
基幹システム上の用語をそのまま『パレット管理』へデータ連携してアプリに表示すると、入居者さまが理解しづらくなる懸念があったため、わかりやすい言葉で表示できるよう調整していく難しさはありました。入居者さまが一番使いやすく便利になることを考えてデータ連携できるよう知恵を絞りました。
私は、入居者さまに対してアプリ導入を促進するため、ご案内の送付やSMS送信などを担当しました。文面の工夫を重ねながらも、登録を促すと入居者さまから「アカウント登録ができない」といったお電話をいただくこともありました。
お問い合わせが発生してしまうこと自体は改善ポイントですが、一方でSMSを見てお電話をいただけたという安心感もありました。今後は、そういったお問い合わせにどのように対応すればスムーズに解決ができ、お客さま満足度の向上につながるのか、そもそもお問い合わせを発生させないような工夫ができないのかを考えていきたいです。
従来は入居後に宅配ボックスやメールボックスの暗証番号を紙の書類でお渡ししていましたが、今は原則として『パレット管理』で確認いただくように変更しました。アプリを登録しないと宅配ボックスやメールボックスが利用できないようにしたことが登録率90%以上を達成できた勝因だと思います。
一方で、使い方がわからないといったお問い合わせも増えると覚悟したのですが、意外にもトライアル中のご相談は0件でした。驚くと共に嬉しかったですね。
そのほかにトライアル導入で気づけた点は、最初に送るご案内の送付方法についてです。確実にお渡しするため、簡易書留で郵送したのですが、簡易書留は入居者さまが直接受け取る必要があるので、約600通のうち100通ほどが届かず、戻ってきてしまいました。
トライアル導入の教訓を活かし、本格導入では普通郵便で郵送するように変更し、ご案内文の内容もプロジェクトメンバーで話し合い、さらにわかりやすくアップデートしています。
確実に出始めた『パレット管理』の効果
「アプリ対象業務の53%が削減可能と試算できました」
まだ本格導入がスタートしたばかりかと思いますが、当初の目的であったお客さま満足度の向上と業務削減効果についてお聞かせください。
本格導入がはじまり、以前なら郵送していた書類もアプリで完結し、連絡もスムーズに取れるという声を社内からもらい、嬉しく思っています。印刷や郵送にかかっていた費用・手間・労力が削減でき、確実に効果が出始めています。
実務にあたるスタッフからは「お問い合わせにチャットで返答できるので解決までのスピードがアップした」といった声が出ています。
本格導入がスタートして繁忙期を迎えた現在、解約申請がアプリで完結するようになり、現場から「書類のやり取りの手間が省けた」という声を聞いて嬉しさを噛み締めています。
解約精算の手続きは以前なら1~2週間がかかっていましたが、アプリの利用により数時間で完了できるようになりました。これは大幅な業務効率化ですし、早く入金処理ができるので入居者さまにとっても大きなメリットになります。
書面作成や郵送などの業務負担は確実に少なくなっていますので、さらなるお客さま満足度向上の施策検討に取組みやすくなることは大きなメリットに感じています。
また、まだまだ紙書類が多く、どうしても出社を余儀なくされることが多かったのですが、アプリ導入率拡大によってもう少し柔軟な働き方選択の助けになれば良いと思っています。
※API
入居者アプリを通じて申請された情報やお問い合わせなどを、管理会社さまのシステムへAPIによって連携する仕組み
『パレット管理』の導入で感じた思わぬ変化
「社内の意識が確実に変わり、大きな期待の声が聞こえるようになった」
最後に、皆さんが感じる導入してよかったことやパレットクラウドへのメッセージがあればお聞かせください。
本格導入にあたり、プロジェクトメンバー以外の従業員も作業を分担して手伝ってくれました。導入効果に対する期待はとても大きいです。今後、有益に活用範囲を拡張していこうと思います。
オーナーさまに入居者アプリを導入したことをお伝えすると、「そんな取り組みもしてくれているんだ」と想像していた以上の関心の高さで、嬉しい反応をいただいています。
今回の入居者アプリの導入は、オーナーさまに直接的な関わりはありませんが、オーナーさまからの弊社への評価につながっていることも実感しています。
導入したのちも『パレット管理』の進化を日々感じますし、いろいろとご提案もいただけるので感謝しています。今後も利便性の高いアプリ開発を期待したいです。
導入にあたり、業務フローをアプリにフィットさせていく流れで進めたことで、無駄な業務フローの存在にも気づかされました。今後はこの部分もより良く改善していきたいです。
寄り添っていただけるパレットクラウドさんには感謝しており、これからも一緒に伴走してもらえると嬉しいです。
私たちはシステムのプロではないので「今後、こんな機能が追加されますよ」「こんな形にすると、もっと便利に使ってもらえますよ」とアドバイスをいただけてパレットクラウドさんには感謝しております。今後もいろいろと相談に乗っていただければ幸いです。
先日、新しい物件に入居された皆さまに、アプリ導入のご案内とご入居の挨拶をお送りしたところ、多くの入居者さまがすぐにアプリ登録してくださいました。それにアプリに送信されたお知らせの既読などもリアルタイムでわかり、これまでは見えなかったものが見えるようになったのは苦労が報われる思いです。
また、お問い合わせの対応もスムーズになり、以前のようにお電話がつながらなくてお互いに困るという状況もなくなりました。チャットでお礼のご連絡をいただけることも増え、お客さまからの対応品質評価機能も装備されており、やる気アップにもつながっています。
これからは、アプリ登録しただけで終わらない使い方を考えるタイミングだと思っています。賃貸物件の更新は2年に1回ですし、アプリの存在を忘れてしまう入居者さまもいらっしゃるかもしれません。そうならないように定期的に弊社からのお知らせ、また弊社事業の紹介なども配信していければと考えています。
株式会社コスモスイニシア様の展望
「“考える”必要がある業務で活躍してもらい、新しい施策を展開します」
コスモスイニシア様の今後の展望について教えてください
私たち賃貸事業部は、住宅賃貸だけでなく、ビル事業、シェアオフィス・シェアレジデンス事業においても『ずっと もっと 居心地のいい賃貸』を目指した運営を行っております。
お客さまに『Next GOOD』を提供し続けるためには、定型的業務に費やす時間をシステムの力で圧縮して、未来を考える時間をしっかり確保することが重要だと感じています。『パレット管理』の導入によって、お客さま満足と業務効率向上の足掛かりができました。しっかり活用して、新たなチャレンジにつなげていきたいと思います。
前編ではパレット管理の採用に至った経緯についてご紹介しています